サービス公開 – 1月中旬
vvave.app という、SoundCloudみたいなサービスを個人で開発して1月中旬に公開した。X.com では800個のいいねが付き、(バズと呼べるほどではないが)それなりには注目してもらうことができた。
SoundCloudみたいな新規サービスを昨日公開しました。 まだ機能は少ないですがシンプルで使いやすいと思います。 vvave.app メンバーや依頼の募集、コラボレーション機能とかも検討中です。
特に Purukichiさん というコンポーザーの方は大きな声で褒めてくれた。
/ 新しい音楽共有サービス「vvave」使ってみた! \ Sabigara(@_Sabigara )さんが公開されたこのサービスの個人的にいいと思ったところを勝手にまとめてみます! ①美しいUIデザイン ▹余白を確保しながらもまとまっている!スッキリUIで見やすい!…
SNSでの拡散されたこともあって、その日だけで2万PVのトラフィックを集めることに成功し、ユーザー数・楽曲数ともに立ち上げ時から一定数を確保できた。当時の投稿を確認するとプチバズから4日で400ユーザー・1000曲を達成していた。
最初期に投稿してもらえた楽曲の一部:
ここまではそれなりに順調で、半年近い開発期間が報われるように感じた。
2月
買収提案を受ける
とある企業から、社員として開発を継続することを条件に、一定額でサービスを譲渡しないかという提案を受けた。
これはかなり悩んだが、最終的には断ることにした。金額の問題ではない。自分には社員は無理だと思うし、だから個人開発をしているのである。
っゔぁゔぇ...
アナリティクスを見ていると、google.com
や t.co
などの見慣れたアクセス元に混じって、Misskey系と思われるサーバーのドメインが散見されるようになった。misskey.io
や misskey.design
などの大手もあったが、アクセス数が断然多かったのが おとすきー だった。
登録してみると内部ではこんなカスタム絵文字が飛び交っていた。
これはともかくだが、多くのサーバーの住民がvvaveに投稿してくれているということがわかり、嬉しかった(ランキングは一時おとすきー民に埋め尽くされていた)。
機能追加
リリース後も改修を続け、以下のような機能を実装した。
- 埋め込みプレーヤー
- ハイライト(自分のオススメ曲を固定表示)
- ダークモード
サポーター制度を開始
サービスの収益化はもちろん初めから目論んでいたが、具体的な方策があるわけではなかった。本来であれば、なんらかの追加機能を有料で提供するのが筋とは思うが、このときはまだそんな余分な機能はなかったので、とりあえず「サポート」という名目で寄付を募ることにした。
プラットフォームとしては PIXIV FANBOX と Buy me a coffee を選んだ。本当は手数料が安い Stripe を使いたかったが、見知らぬサービスにクレジットカードを新規登録する(ようにユーザーが感じる可能性が高い)方法は若干ハードルが高いかと思い、断念した。
サポート制度を告知して数日間で継続支援額は8,000円を超えた。それからも少しずつ伸びていき、今は14,000円くらいになった。
この額をどう見るべきかだが、とても多いとは言えないものの、侮れないと思う。
なんだかんだで20名ほどの人が毎月500円以上支払ってくれているという事実は大きい。SNSでいいねを押すのと金を払うことには大きな隔たりがあり、vvaveのコンセプトが少なくとも一定の意味を持っているとの証左だと思う。その価値を認めてくださっている方々には深く感謝している。
ただしこれ以上伸びないとなれば開発を継続していくことは難しい。自分はWebサービス開発で食っていきたいからこれを作ったのであって、慈善事業ではない。なんとかユーザーを増やし、さらにいま使ってくれている人たちをより満足させて、まとまった収益化を実現したい。
3月
機能追加
3月に入ってからも機能開発を続けた。目玉は、投稿した楽曲からSNS投稿に適した動画を生成する機能だ。
今朝公開の『可惜夜-atarayo-』に、またたくさんの方が反応くださりとても嬉しかったです😭✨ いつも本当にありがとうございます!! 最後はvvaveで作成した動画を投稿して、宣伝は終了させていただきます🙏 Groovyさん @19810207t 、SFTさん @Glisten74325502 コラボありがとうございました🥰
さっそくご視聴くださいましたみなさま、ありがとうございます🙏 『可惜夜-atarayo-』はこちらでもお聴きいただけますー!🎧🎶 SoundCloud👉 soundcloud.com/march-skt/atar… vvave👉 vvave.app/tracks/cltx0f2…
3月のアップデートについては以下のnoteにまとめたので興味があれば参照してほしい。
荒らしから攻撃を受ける
ある日、複数のEC2インスタンスや海外のサーバーから大量のリクエストが送られてきた。どうも特定の曲の再生数を水増しするスクリプトが実行されているようだった。IPブロックは実装してあったので発信元IPをリストに加えて事なきを得た。
極端に多いトラフィックが同一のIPから来ているのがわかる。
現状のデータ
リリースからこれまでをざっと振り返ってきたが、ここで現状における各種データをまとめて確認する。
ユーザー数 | 楽曲数 | 支援額(月) | 閲覧数(月) |
---|---|---|---|
700人 | 1800曲 | 13,000円 | 35,000 |
最初の4日で400ユーザーを獲得した勢いは継続していないことがわかる。それはしょうがないが、アクセス数が横ばいなのはあまりよろしくないと感じる。
課題
(アクティブ)ユーザーを増やす
これは大抵のUGC(ユーザー投稿)サービスに当てはまると思うが、そこにいるユーザーの数がサービスの価値に大きな影響を与えてしまう。誰も聴いてくれない場所に曲を投稿し続ける人はいないだろう。
だからユーザーを増やすのは重要なのだが、vvaveではそればかりを目指すべきではないと思っている。
というのは、ボリュームで勝負しようとすればYouTubeやSoundCloudなどに勝てるはずはないからだ。もちろん場所が大きすぎることで埋もれてしまうことがあるのも事実だが、それでも数字で勝負するのは悪手だと思う。
密度の濃い体験を実装する
人が少ないのであれば、その中でより密度の濃い体験ができればいいはずだ。
ところで、僕は Bluesky のベータ期間の最初期を経験した。当時はAndroidやWebクライアントが存在していなかったので、エンジニア率の高いベータユーザー達はこぞってサードパーティクライアントを実装した。僕の Flat もその一つだ。
なにがいいたいかといえば、日本人がせいぜい数百人くらいしかいないSNSでも十分に楽しむことができたということだ。それも当然の話で、そこに人間がいて「おもちゃ」があれば遊ぶことはできるのである。
いまのvvaveに足りないのはおそらくそういう「おもちゃ」なんだと思う。それがコラボレーションや共同制作機能になるのかわからないが、ボリュームで勝てない新興サービスが目指すのはそういう方向性のはずだ。
まとめ
vvave | Home for musiciansvvaveはあなたの作った音楽の置き場所を提供するサービスですvvave.app
なんとかやっていきたい。